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新聞配達の少年は
朝日に向けて走り出した
昨日見た夢に怯えながら
明け方の良くある光景を
無意識のうちに弱気だった
自分と重ねて余計に怖くなった
見上げた空に
母親の顔が重なる
『あんまり無理しすぎて
身体を壊さないように』
と手を振った君の
なんだか少し寂しそうな顔を
夢に見る度に涙を堪えた朝
やる事があるのは分かってる
一番の敵はテレビゲーム
腐りきった僕にのしかかる論理
聞いたような使い回しの
知ったようなクチでダメ出しか
期待はしないが嫌な気もしなくなった
『大丈夫だよ
きっとあなたならできると信じてる』って
君の言葉を思い出す度
臆病な僕は救われて来たよ
根拠のない“おまじない”のような
君の不思議な魔法に
かけられたようだった
真昼の月 汚れた街
遠くで聞こえる悲しい声
歪んだ空に溶けた星たち
バイト先のビルの屋上
ブルーなベンチにこぼした夢
「帰りたい」がいつしか口癖になった
『痛みの数だけ見えた希望(ひかり)を
大事にしなさい』
と聞こえた気がして
思った通りにいかずに悩んでも
痛みを堪えて明日へ旅立つのさ